Tasha & Tracieについて知っておきたい4つのこと

ターシャ・イ・トレイシー アーティスト紹介
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Tasha & Tracie(ターシャ・イ・トレイシー)とは、誰?

Ludmilla feat. Tasha e Tracie – Sou Má (Official Music Video)

双子のフィーメイル・ラッパー、Tasha & Tracieターシャ・イ・トレイシー)。Gloria Groove(グロリア・グルーヴ)Ludmilla(ルジミーラ)ともコラボし、各種メディアでも目にすることが多くなりました。

この記事では、そんなTasha & Tracieについて、いま知っておきたい4つのことを簡単にまとめて紹介します。

Tasha & Tracieについて知っておきたい5つのこと

今、ブラジルで最注目のフィーメイル・ラッパー

Tasha & Tracie(ターシャ・イ・トレイシー)は、サンパウロのラップ・シーンから現れた双子のフィーメイル・ラッパーです。男中心のラップ界にあって、「男に都合のいい女」ではない「自立した女」としてラップし、ここ数年ブラジル国内で話題になっています。

2021年には、MTVブラジルが開催する音楽賞「MTV MIAW BR」で、優れたラッパーに贈られる「Beat BR」部門にノミネート。2022年には、テレビ局Multishowが開催する音楽賞「Prêmio Multishow」で、新人賞「Revelação do Ano」と二人組部門「Dupla do Ano」の2部門にノミネートされました。

その評判はブラジル国内にとどまらず、2022年にはアメリカ合衆国のHip Hopの音楽賞、「BET Hip Hop Awards」で「Best International Flow」にノミネートされ、国際的にも注目されている存在です。

Tasha & Tracie – Diretoria (Prod. Pizzol)

↑ 2021年のアルバムDiretoria“(ジレトリア)のタイトル曲。

郊外(periferia)出身

Tasha & Tracie(ターシャ・イ・トレイシー)の本名は、Tasha OkerekeTracie Okerekeブラジル人の母ナイジェルア人の父をもち、サンパウロ市北部のJardin Peri(ジャルジン・ペリ)という「郊外」(periferia)で育ちました。

ブラジルの大都市の「郊外」というのは、日本語でイメージされる「穏やかなベッドタウン」や「田園地帯」とは違います。インフラや公共施設が整備されていない、いわゆるスラム街が広がっていることが多いようです(詳しくはこちらの記事をお読みください)。

ぜいたくはできない、高価な服を買うお金も無い、文化施設もない。けれども、ナイジェリアの文化に誇りをもつお父さんがいて、安くても似合う服を選んでくれるお母さんがいて、町中にはサンバパゴージのような音楽が溢れていたそうです。

古着リメイクのファッション・リーダー

ターシャとトレイシーは、小さい頃から古着をリメイクし、好きなようにアレンジして着ていたそうです。

こうして養ったセンスが、フィーメイル・ラッパーの大先輩、Drik Barbosaドリカ・バルボーザ)の目に留まり、ファッションに関するブログを始めるよう薦められます。

そして立ち上げることになったブログでは、お金が無くても誰でもマネできるような、簡単なリメイクや着こなし術を紹介。同世代の支持を得るだけでなく、ファッション業界からも注目されました。

ブロガー、ユーチューバー

2014年に開設されたそのブログの名前は、「EXPENSIVE $HIT」。アフロビートの創始者として名高いアーティスト、ナイジェリアのFela Kuti(フェラ・クティ)の作品名から名前が取られています。

ネット環境もままならない中、発信したいことだけを書きため、ネットカフェで記事をアップして、更新を続けたそうです。

このブログでターシャとトレイシーは、ファッションや音楽について書くだけでなく、黒人文化の誇り高さ、そして「黒人の女」として生きていく自信を取り戻すよう読者に呼びかけ、「社会派ブロガー」としても注目を集めました。

なお、現在はブログの更新は停止され、発信の場をYouTubeに移しています。

最後に

双子のフィーメイル・ラッパー、Tasha &Tracieについて、今知っておきたい4つのことを紹介してきました。

ここまで読んでいただいてから白状するのもなんですが、私自身はポルトガル語力が未熟なので、2人がスラングたっぷりのラップで何を言っているのか、実はよく分かりません──。ただ、ラップ自体に迫力があり、ルックスも唯一無二な感じでカッコいいなと以前から思っていました。今回、Ludmillaとコラボするということで、改めてニュースやインタビュー記事を読み、彼女たちの非商業主義的な姿勢や、「アクセサブルなファッション」(お金がなくても誰でも楽しめるおしゃれ)に惚れ直したので、記事を書かせてもらいました。

外部記事では、こちらのロング・インタビューが良質でオススメです。

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