【趣味レベル】ポルトガル語を独学する方法

ポルトガル語学習 雑記
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趣味としてのポルトガル語学習

ブラジルの曲を歌いたいから、ポルトガル語が読めるようになりたい。」

ブラジルの人と簡単なコミュニケーションをとれるようになりたい。」

そんな方にむけて、この記事ではポルトガル語の学習方法を紹介します。入門レベルです。

ポルトガル語をどうやって独学するか、ネットで検索すると、いろんな記事がヒットしますよね。でも、多くの記事は、「ブラジルで働く」とか「現地でコミュニケーションをとる」とか、学習目標が高いように思います。あくまでも「趣味レベル」でいいから身につけたい、と思っていた私は、目標が低いなりに、試行錯誤しながら勉強してきました。

そこで、この記事では、

  • 独学で勉強したい
  • あまりお金をかけないで独学したい
  • あくまでも「趣味」レベルで、最低限のポルトガル語が理解できれば十分

そんな条件で、気楽に勉強していくためのツール学習方法を紹介します

なお、高校レベルまで英語を勉強し、「簡単な英文を理解できる方」に向けた内容になります。この記事で紹介するYouTubeチャンネルやアプリは「英語」なので、あらかじめご理解ください。

ポルトガル語に興味があるけど、勉強してみようかどうか迷っている」という方は、ぜひ次の記事をご覧ください。ポルトガル語を勉強してみたところ、意外な効果があった、という体験談がまとめてあります。

ポルトガル語を独学する方法【初心者】

私がポルトガル語を学び始めた時、使っていた本やノートを並べた写真。本のタイトルは、この記事でのちほど紹介しています。
私のポルトガル語入門セット。まずはこれだけやれば、それなりにポルトガル語が読めるようになります。

語学の勉強は、やっぱり紙の教科書で!

「ポルトガル語を独学したいけれど、まず何から始めればいいの?」

この記事を書いている私自身、そういった本当の初心者からスタートして、いろいろな本やアプリに手を出してきました。

語学の勉強については、いろいろな方法や考え方があると思います。「文法より先に会話」とか、「教科書よりまずコミュニケーション」とか、いろんなメソッドがあるのも確かです。

ただ、私の考えでは、日本の学校教育でせっかく英語をやってきたのなら、その経験を生かして「紙の教科書」で勉強するのがオススメです。

これだけアプリ動画コンテンツがある中で、あえて紙の本をオススメするのには、理由があります。

言語を学ぶとき、避けて通れないのが「文法」で、文法を身につけるために一番便利なのが、紙でできた教科書だからです。

紙でできた教科書には、次に挙げるような長所があります。

  • 断片的な情報ではなく、まとまった知識を教えてくれる。
  • 複数のページを往復しながら読むことができる。「これは17ページの規則に従うから、39ページを見ればいい」みたいな読み方ができる。
  • どこまで自分が「やった」か分かりやすく、一冊を「やりきる」という達成感を得られる。
  • 辞書や検索でスマホやタブレットを使うので、教科書は紙のほうが便利。

無料のコンテンツとしては、東京外大の言語モジュールがオススメ

そうはいっても、教科書を「買う」のはハードルが高い、まず無料でやってみたい、という方もいらっしゃるでしょう。

そんな方には、東京外語大学の言語モジュールをオススメします。

東京外大が運営するこのウェブサイトは、量・質ともに、一冊の「入門書」並みです。ウェブサイトの内容を全部を身につけることができたら、大学で第二外国語の授業を履修したのと同じレベルになれると思います。

ただ、Webサイトであるため、特有の「使いにくさ」があります。「自分がどこまでやったか」が分かりにくく、途中で「離脱」しやすいのです。

私もこのサイトにはかなりお世話になったのですが、全部やりきる前に離脱して、結局、紙でできた本を買うことにしました。

入門・初級レベルでオススメの教科書

どんな本がいいか?

それでは、どんな本を教科書として選べばいいのでしょうか?

大きな本屋に行くと、ポルトガル語の教科書がたくさんあり、どの本にするか迷いますよね。私も、あれこれ比較してテキストを選んだのですが、実際に取り組んでみると肌に合わず、また買いなおしたりしました。

そんな私がオススメするのは、「文法」・「会話」・「練習問題」がミックスされた本です。

会話」でどのように「文法」が使われているのかを見ながら、「練習問題」をする。

このやり方の利点は、野球に例えると分かりやすいかもしれません。野球を知らない子供に野球を教えるとき、まず「ルール」をすべて丸暗記させる人は、いませんよね。一緒に「試合」を見ながら、この場面ではこの「ルール」が適応される、と少しずつ教えていき、キャッチボールのような基本的な「練習」をさせるのが普通ではないでしょうか。

それと同じように、語学でも、まず「会話」があり、こういう場面ではこの「文法」が適応される、と少しずつ教えてくれて、基本的な「練習問題」をさせてくれるのが、良い教科書だと思います。

オススメの一冊は、ニューエクスプレス・プラス

実際に学習してみて、オススメしたいのは、この一冊です。

香川正子先生の『ニュー・エクスプレス・プラス ブラジル・ポルトガル語』。数多くある参考書の中から、この本をオススメするのには、次に挙げる理由があります。

  • 文法の説明が十分にあり、文法事項ごとに単元が分かれている
  • 単元の最初に会話文があり、文法ばかりで退屈しないようになっている。
  • CD付で、音声アプリもある。
  • 練習問題がついている。
  • 本の最後に単語の索引があり、辞書なしでもこの本一冊で学習することができる。

私自身、この教科書のおかげで、それまで記号にしか見えなかったポルトガル語が、辞書片手になんとか読めるレベルになりました。説明が細かすぎず、ページ数も多すぎず、初心者が挫折しないような配慮がされた一冊だと思います。

教科書を使った勉強の仕方

それでは、「教科書をやる」というとき、具体的に何をすればいいのでしょうか?

いろいろな方法があると思うのですが、私の勉強方法を紹介します。

1. 会話文や例文を何度も聴きこんで、復唱する

教科書の会話文は、重要な単語や表現を含んでいるので、そのまま暗記するとコスパがいいです。このとき、何度も声に出して復唱する、というのが大事だと思います。黙読しているだけだとなかなか覚えられません。

また、ポルトガル語は日本人にとって発音が難しい言語だと思います。鼻母音というものがあり、慣れるまで私は時間がかかりました。フランス語のような鼻母音のある言語を習ったことのある方は苦労されないかもしれませんが、そうでない場合、この鼻母音を徹底的に練習する必要があります。

さらに、ポルトガル語には独特のイントネーションがあります。これも、ただ文字列を見ているだけでは身につきません。いろいろな音声や動画を聴いてマネしていくと、少しずつ感覚がつかめてきます。その点でも、やはり「声に出す」という練習は大事です。

2. ノートをつくる

教科書を読んでも右から左へ抜けていってしまう私は、自分なりにノートを作って勉強しました。

紙のノートの良さは、「まとまった知識を書き込んだり見返したりできる」という点にあると思います。文法事項はもちろん、「数字の読み方」とか、「カレンダーの書き方」とか、色々なテーマで自分なりにまとめておいて、後でまた見返すと、効率的に知識を身につけることができます。自己紹介するならこうかな、みたいな作文をしてみるのもオススメです。

私がポルトガル語を学び始めた時に書いたノートの写真。カレンダーの読み方、数字、色、など、トピックごとに単語や表現をまとめています。
私がポルトガル語学習を始めたばかりのときのノート。
3. 練習問題を解く

練習問題をやるときは、文をまるごとノートに書くのがオススメです。たとえば空欄補充の問題だったら、空欄部分だけでなく文全体をノートに書くと、スペルの勉強になります。また、ノートに書かず、問題を見た後、目を閉じて文全体を口頭で答える、というのも良い訓練になります。

仕事や家事で忙しい中、ゆっくり過ごしたい時間に勉強をしていると、途中でツラくなってくるかもしれません。でも、あくまでも「趣味」なので、気楽に進めるのが一番です。忘れても、また覚えなおせばいいだけ。とりあえず一冊の本を全部やってみると、それだけで、かなり視野がひらけてきます。

あると便利な単語帳

単語帳があると、ボキャブラリーを一気に強化できます。

オススメなのは、『今すぐ話せる! いちばんはじめのブラジルポルトガル語単語 』、またもや香川正子先生の本です。

私は暇なときに眺める本として、この本をバッグに入れておいたり、トイレに置いたりしています。覚えてもすぐ忘れるので、何度見返しても新たな発見があります──。

単語帳は「必須」ではなく、「あれば便利」程度のものですが、基本的な語彙を効率的に身につけたいという方は、手元に置いておくのがオススメです。

辞書について

白水社の辞書

ポルトガル語学習者の必須アイテムとされるものに、白水社の『現代ポルトガル語辞典』があります。

この辞書は、アマゾンの価格で8250円です(2022年4月20日時点)。

値段が高いので、文法の教科書が一通り終わった後、必要だと思ったら買えば十分だと思います。私の場合、「自分なりにブラジルの歌を訳してみよう」と思った段階で、適切な訳語を選ぶために購入しました。

有料のアプリ版もあります。こちらは3060円です。

現代ポルトガル語辞典
現代ポルトガル語辞典
開発元:物書堂
¥3,060
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紙の本か、アプリか、好きなほうを選べばいいと思います。私はアプリ版を購入していないのですが、値段持ち運びしやすさからいえば、アプリのほうが優れているでしょう。

英語を介さず、日本語でポルトガル語を勉強したい人には、必須のアイテムです。

英語の辞書なら無料のアプリがある

辞書、高すぎ!」と思われた方もいるのではないでしょうか。

そんな方には、のちほど紹介する英語の無料の辞書アプリがオススメです。

「なぜ英語?」と思われるかもしれませんが、私は「英語でポルトガル語を勉強する」ことを強くオススメします。理由は、ポルトガル語の勉強もしながら英語の勉強もできるので、勉強の「コスパ」がいいからです。詳しくはこちらの記事でも書きました。

ポルトガル語を英語にして、それをさらに日本語にする、というのは、一見まわりくどいように思われるかもしれません。でも、英語をもっと勉強したいと思っている方は、ぜひ英語の辞書やツールを使ってみてください。かならず努力に見合う対価が得られます。

YouTubeのオススメ動画

ところで、教科書で学習していると、必ず、よく分からないところや、発音で不安になるところが出てきます。

そういうとき、YouTubeの動画が役に立ちます。

良い動画がたくさんありますが、次に紹介するチャンネルがダントツでオススメです。

Speaking Brazilian Language School

How to pronounce the open O and closed O in Portuguese

Speaking Brazilian Language School(スピーキング・ブラジリアン・ランゲージ・スクール)は、アメリカ人向けにつくられたブラジル・ポルトガル語学習チャンネルです。

このチャンネルをオススメする理由は、たくさんあります。

  • 動画の最初から最後まで、全部ポルトガル語でしゃべっている。
  • ゆっくり、はっきり、初級レベルのボキャブラリーでしゃべってくれる。
  • 英語字幕ポルトガル語字幕が両方ある。
  • 表で説明が済まされがちな「動詞の活用」を、音声で聴けて、練習もできる。
  • ポルトガル語初学者がつまずきやすいポイントが、だいたいカバーされている。

あと個人的な感想としては、Virginia(ヴィルジニア)先生が魅力的で、彼女のしゃべり方をマネするのが面白く、シャドーイングを楽しめたのもよかったです。

私は最初、スピードについていけなかったので、「設定」の「再生速度」を「0.75」にして視聴し、何度も見返してシャドーイングしていました。そういった速度調整ができるのも、ユーチューブのいいところだと思います。

ヴィルジニア先生は、文法事項やボキャブラリー、ブラジルの文化に関することなど、いろいろな動画をアップしています。「知りたい」、「面白そう」、と思う動画から、少しずつ視聴してみてください。

オススメの無料アプリ

最近はアプリ定額制サービスで良いものがたくさんあり、語学の勉強がしやすくなりました。

ただ、質の高いアプリは当然お金もかかり、無料をうたっていても、きちんと学習しようとすると結局「有料版」に誘導されるようになっています。

これ以上課金したくない!」というスタンスで生きてきる私は、語学学習でも極力お金をかけずにやってきました(誇れることではないけれど…)。

そんな私が使っている無料のアプリを紹介します。いろいろなアプリを試して、厳選したものです。

Linguee

いま一番信頼されているAI翻訳といえばDeepLですが、そのDeepL社が提供している辞書が「Linguee」です。圧倒的な用例をもとに言葉の生きた意味をはじきだすので、スラングやあいまいな言葉のニュアンスを知るためにとても役立ちます。ただ、発音が載っていないのが難点です。

Dictionary Linguee
Dictionary Linguee
開発元:DeepL GmbH
無料
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Collins Dictionary

Collinsのポルトガル語-英語辞書は、アプリではなくウェブサイトですが、無料の辞書として非常に使い勝手がいいので紹介しておきます。訳語(英語)と発音、そして動詞ならば動詞の変化を一度にチェックすることができます。

私はこのサイトのリンクをスマホのトップに張り付けています。

英辞郎 on the web

無料の英和辞書です。とにかく見やすく、コロケーションの用例が豊富で、ざっと流し見するだけでも単語のイメージがつかみやすいのが特徴です。

英語ベースでポルトガル語を勉強する場合、英語辞書が必須になります。有料のアプリで英語辞書を持っているのなら必要ないと思いますが、無料のアプリで一番オススメなのは、「英辞郎」です。

英辞郎 on the WEB(アルク)
英辞郎 on the WEB(アルク)
開発元:ALC PRESS, INC.
無料
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Portuguese Verb Conjugator

ラテン系の言語は、動詞の活用がとにかく重要です(あなたも独学していくうちに、この言葉の重みに気づくはず──)。

無料アプリ「Portuguese Verb Conjugator」は、ポルトガル語の動詞の活用を一覧にまとめています。他にも同様のアプリがありますが、このアプリのいいところは、人工的な音声とはいえ、発音が聴けることです。

というのも、けっこう多くの辞書や文法書が、「動詞の活用」を表で済まし、発音について記載していません。このアプリと、YouTubeのヴィルジニア先生の動画で、「動詞の活用」とその発音をひとつひとつ覚えていくのがオススメです。

Portuguese Verb Conjugator
Portuguese Verb Conjugator
開発元:Ian Tipton
無料
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最後に

最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

この記事を書いている私も、ポルトガル語に苦戦しています。偉そうにこんな記事を書いていいものかと思いながらも、ヴィルジニア先生のおもしろさや、香川正子先生のすごさを共有したくて書きました。

ポルトガル語を独学してみたいという方にとって、お役に立つ情報がひとつでもあれば、うれしいです。

なお、ポルトガル語をパソコンで入力する方法についても記事を書いています。ウィンドウズ限定ですが、ご興味があればこちらもご覧ください。

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