Jovem Dionísio(ジョヴェン・ジオニージオ)、大ヒット!
今回は、2022年5月の今、ブラジルで大ヒットしている曲を紹介します。欧米のインディーロックが好きな方や、もちろんMPBファンにもオススメの一曲です。
旬なサウンドでありながら、どこか懐かしい感じがするポップな一曲。この“Acorda Pedrinho”(アコルダ・ペドリーニョ)という曲が、Spotifyで異例の再生回数を記録しています。
2022年5月21日からこの記事を書いている30日まで、ブラジル国内での再生回数で決まる「ブラジル・トップ50」のランキングで、1位をキープ。(2022/6/16追記:6月9日まで1位でしたが、6月10日以降は順位を下げています。)
私自身、このランキングを見て「Jovem Dionísioって誰?」と思い、調べてみました。
Jovem Dionísioとは、何者?
Jovem Dionísio(ジョヴェン・ジオニージオ)は、2019年にデビューしたパラナ州クリチバの5人組。ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボードという、オーソドックスな編成のロックバンドです。
Gilsons(ジルソンズ)やAnavitória(アナヴィトーリア)とのコラボを経て、ファーストアルバムとなる“Acorda Pedrinho”(アコルダ・ペドリーニョ)を2022年3月24日にリリースしました。3月21日に発表されたアルバムと同名のシングルが、今回紹介した曲です。
新曲“Acorda Pedrinho”は、クリチバのプールバーで寝ていた人から着想を得て作詞されたそうです。
ミュージックビデオもあり、ビリヤードをやってる途中でバンドメンバーが眠ってしまって、それから数十年後に奇跡が起こる、という筋立てになっています。他のバンドメンバーがなんとかして目覚めさせようとするのですが、その起こし方がドリフのコントみたいなヒドさ──。尺が長く、物語重視のビデオになっています↓
ブラジルで、ロックがヒットするのは異例?
ところで、最近のブラジルでロックバンドがヒットするのは、とても珍しいこと。
今までもロックで良質な曲はたくさんありましたが、なかなか「再生回数」は上がらなかったのが実情です。
実際、Spotifyの「ブラジル・トップ50」でバンドが1位となったのは、2018年のMelim(メリン)の“Meu Abrigo”以来とのこと。ちなみにMelimはロックというよりポップスで、兄弟三人組のため、いわゆるロックバンドとも違います。
「セルタネージョ」、「フォホー」、「ファンキ」という三大ジャンルが強い中、オーソドックスなロックバンドがランキング首位となるのは、本当に異例なことです。
世界的なヒットになるか?
なお、ヒット曲”Acorda Pedrinho”は、国境を超えてSpotifyの「グローバル・トップ50」にもランクイン。この記事を書いている2022年5月30日時点で、46位となっています。今後ロングヒットし、さらに国際的に注目されるかもしれません。
そして、ゆくゆくは「ブラジルのロック」ブームが巻き起こるといいなと、個人的には期待しています。
こちらも試聴してみて下さい
アルバム”Acorda Pedrinho”も、ぜひ試聴してみてください。
Anavitória(アナヴィトーリア)とのコラボ曲もオススメです。
このMV、バンドメンバーのふざけてて楽しそうな感じがいいですよね。「サウダージ」(郷愁)が感じられるサウンドと、脱力系の雰囲気が、私はとても好きです。
参考
- G1 Globo.com(2022/5/27) 異例のヒットをとげていることについて
- Nação da Música(2022/3/23) ファーストアルバムについて