【プライド特集】「LGBTQアーティスト」のまとめをした理由

プライド特集 特集
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はじめに

6月はLGBTQのプライド月間。このブログの管理人の私も、2022年の6月、Twitterで毎日1ツイート、ブラジルのLGBTQアーティストを紹介するという企画をやっていました。ツイートした内容は再構成し、以下の記事にまとめてあります。まだ更新途中ですが、順次記事をアップしていきます。

以下の記事では、こういった企画をやった理由を記録しておきたいと思います。というわけで、役に立つ情報はゼロですが、ブログの意思表明でもあるので、よければおつきあいください。

なお、私自身、あらゆる性的マイノリティの差別に反対しています。ただ、本文中には差別的な表現を「 」付きで引用している箇所がいくつかあります。読んで不快になるところもあるかと思いますが、どうかご容赦ください。

プライド月間とは?

ヨーロッパの町でのプライドパレードの写真。たくさんの人が虹色の旗をかかげてパレードしています。
Foto de Margaux Bellott en Unsplash

まず、「プライド月間」とは何か、簡単にまとめておきます。

1969年の6月28日、ニューヨークの「ストーンウォール」というゲイバーで、警察官が押し入ってきたことに抵抗し、数日間におよぶ暴動が起きました。

それまで、「ゲイは日陰者で当然」「嫌なことは耐えるしかない」というムードが支配的だった中、この事件をきっかけに、アメリカで性的マイノリティの権利獲得運動が起こり、差別的な法律の改正へつながったとされています。

そのため、6月はLGBTQの「プライド月間」とされており、いまでは欧米の大都市でプライドパレードが開催されたり、LGBTQの尊厳を象徴するレインボーフラッグが大企業のロゴを飾るようになりました。

ブラジルのLGBTQアーティストをまとめてみようと思い立つ

2022年の2月からブログを始め、初めてむかえるプライド月間。

プロフィールページでも書いたのですが、私自身、ブラジル音楽が好きなだけでなく、ジェンダーをめぐる問題がずっと関心事でした。

「自分のブログで書きたいことが書けるわけだし、プライド月間だし、私も何かしたい。」

そういう漠然とした感覚から、ブラジルのLGBTQアーティストをまとめる、というアイデアが生まれました。

そんな「まとめ」をしていいのか…?

ただ、そういう企画をやっていいのか、迷いもありました

LGBTQのアーティストをリストアップする、というのは、それぞれのアーテイストについて、「腿の間がどうなってるか」とか「誰と寝てるか」を問う、ということです。そういうデリケートな話題を詮索するのは良くないな、とか、アーティストの私生活について知りたくないという人もいるんじゃないか、とか、いろいろ思うところがありました。

なによりも、性的に多数派であるかどうかで線引きし、すべて「LGBTQ」とひとくくりにしてしまうのは、すごく強引で身勝手なことだと思います。実際、性的マイノリティのロールモデルであろうとして活動している人もいれば、そのような政治性を帯びるのを嫌う人もいます。

ゲイにはゲイのコミュニティーや歴史があり、トランス女性にはトランス女性のコミュニティーや歴史がある。また、レズビアンでもレズビアンのコミュニティーには入りたくない、一人でいたいという人もいる。そういった個別の事情や背景を無視して、ひとくくりに「LGBTQ」と呼ぶのは、それこそマジョリティの都合です。

そもそも、私自身、アーティストはみな政治的であるべきだ、とは思っていないし、有名人にはプライバシーを隠す権利があると考えています

性的マイノリティをめぐる日本の「空気」

渋谷駅前のスクランブル交差点の写真。性別も年齢もさまざまな、たくさんの人が行き交っています。
渋谷のスクランブル交差点の写真(Foto de Cory Schadt en Unsplash

ただ、日本で暮らしていると、アーティストでも俳優でも、性的に多数派である人があまりにも多くいるように見えます

マイノリティは、まだまだ「色物扱い」をされていて、とくに、「女装」や「男が男を好き」、「男だか女だか分からない」みたいなことが、笑いをとっていいことであるかのような「ネタ」として扱われることがいまだによくあります。

たしかに笑いをとることでマイナスをプラスにする力はあると思うし、そういうユーモアの力は軽んじられないでしょう。

けれども、いつもいじっていい道化扱いされるとか、尊厳が無いというのは大問題です。実際、尊厳が無いからこそ、信じられないような攻撃もされるのだと思います。

こういった「空気」がいまだに日本には根強く残っていて、カミングアウトしにくい、多数派であると擬態しなければいけないのが現状です。

日本の同性婚をめぐる状況

そして、「空気」だけでなく、同性婚のような「権利が無い」という問題が、ずっと後回しにされてきています

2022年6月はプライド月間でありながら、大阪地裁が同性婚のできない状態を憲法違反でないとする判決を下し、ニュースになりました。

日本は欧米ほど、カップルで行動するのが当然という価値観があるわけではありません。

また、封建制度・家制度の名残なのか、まだまだ好きな者どうしで恋愛結婚する、という人生観が現実的ではないのも確かです。

異性婚と子育ては社会人としての「責務」であるかのような価値観もあり、社会的なプレッシャーから婚活したり、相手を経済力で選んだり、結婚生活を「忍耐」と表現する人さえいます。本当に好きかどうかではなく、親族関係や経済的な必要性から結婚生活を送り、子育てしている人が多くいるのでしょう。

そんな中、好きな者どうしが、障害を乗り越えて結ばれる、ということが、なにか非現実的なことであるかのように見えるのかもしれません。

同性婚、認めない以外に無いのでは?

でも、幸せになりたい人を邪魔していいはずがないと思います。同性婚を法的に認めることで、幸せになる人が確実に増えるのだから、認めない理由が私には分かりません。

「結婚ではないパートナーシップ制度でいいのでは」という意見もあります。日本では「家族」というものが「男女のカップルとその子供」という漠然としたイメージに限定されていて、そのために同性婚を受け入れがたく感じれいる人もいるのかもしれません。

でも、そういったイメージは、あくまでも漠然としたイメージや「空気」でしかなく、現実にはいろいろな形の「家族」が存在しています

同性婚が法律で認められたブラジルでは、多くのアーティストが同性婚し、結婚生活の幸せな様子をSNSやメディアで披露しています

そういった姿を、日本でもひろめれば、少しずつ「空気」を変えることができるのではないでしょうか。

アーティストの影響力

アートは「すごい!」と人を感動させるものであるだけでなく、日々の生活で、なんとなく「これが普通、これは普通じゃない」と分けているその線引きを、いったんリセットする力を持っていると思います。

そしてミュージシャンは、音楽だけでなく、ファッションや生き方でも「表現」をしていることが多く、その影響力は計り知れません。

誰かひとり夢中のアーティストがいることで、生きやすくなる、ということは、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。

私自身、Gloria Groove(グロリア・グルーヴ)が大好きなのですが、嫌なことがあったりすると、「こういう時、グロリア・グルーヴならどうするだろう──」と想像して、気持がポジティブになれたりします。

そんなこともあって、いろんな年代の、いろんな属性のアーティストを幅広く紹介することにしました。このブログの記事でも、その引用でも、何らかの形でいろんな人に届くといいなと願っています。

アーティストの選考基準

さて、LGBTQのアーティストをまとめるにあたり、意識していたことを書き留めておきます。

まず、ブラジルではバイセクシュアルだと公言しているアーティストが本当に多いので、あえて今回の特集では取り上げませんでした。

たとえば、Anitta(アニッタ)はバイセクシュアルだと公表しており、今や世界の注目するゲイアイコンとなっています。Anittaにしても、Luiza Sonza(ルイーザ・ソンザ)Jão(ジャウン)のような、今のブラジル・ポップスで大人気のアーティストたちがバイだと自認しているのは、無視できない潮流です。

ただ、今回の特集では、実際に同性どうしで付き合っていることを公表していたり、ジェンダーの多様性を表現しているアーティストを優先して紹介することにしました。

また、自分のセクシュアリティーを隠していて、暴露される形で皆に知られている人もいますそういう情報は、拡散しないように気を付けたつもりです。性自認やセクシュアリティーを自分から公表していて、それが音楽やファッション、生き方に表現されている人を選ぶようにしました。

もしこのブログで問題のある表現や記事があれば、こちらからご連絡ください。

まとめ記事を書いていてみた感想

今回記事を書いていて、感じたことを記録しておきます。

とても個人的な印象として、2010年代後半、Pabllo Vittar(パブロ・ヴィター)が登場したあたりから、ブラジルの音楽界でLGBTQのアーティストが一気に増えた気がしていました。

ところが実際は、長い歴史を通して布石が敷かれていて、その果てに爆発的なムーブメントがあったんだなと確信しました。

とくに、皆が憧れるようなスターが同性愛で知られていた、またはカミングアウトした、その影響力は計り知れないと思います。当然、いろんな偏見と戦いながらアーティストもファンも自分を貫いてきたのだと思いますが、そうした戦いの積み重ねがあったからこそ、今があるのではないでしょうか。

正確な歴史的流れは、オタクとしてもっと整理してみたいと考えており、今後の課題とします。

最後に

私はTwitterが使いこなせず、試行錯誤しながら1カ月ツイートをしていました。

とくに、TLのアルゴリズムが謎すぎて、何を「いいね」「リツイート」するべきなのか、いまだによく分かりません。しかも、気づくと全然関係ないツイートを追って時間が溶けてしまっていて、ほんとに怖いですよね…。

ただ、返信を通して私自身の知らないことを教えていただいたり、すばらしい音源を紹介してもらえることがあって、それだけでもやってよかったなと思っています。リプライや「いいね」、「リツイート」をしてくれたすべての人に、この場を借りてお礼申し上げます。

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