「Ivete50」
イヴェッチ・サンガロ、50歳の誕生日の特別ライブ
Embed from Getty Images2022年5月27日、ブラジルの国民的歌手Ivete Sangalo(イヴェッチ・サンガロ)が50歳の誕生日をむかえました!
これを記念し、彼女の生まれ故郷であるバイーア州ジュアゼイロで、誕生日当日に特別ライブが開催されました。
この日のためだけにサンフランシスコ川の河畔に特設ステージが建てられ、ライブ前半の1時間半は、ブラジル最大の放送局であるGlobo(グローボ)で生中継される、という豪華な企画です。なお、冒頭の写真は、2019年のRock in Rioのものです。
Globo Playで視聴可能、でした
放映された部分は、Globoの公式アプリであるGlobo Playで数日間試聴できましたが、この記事を書いている今はもう公開されていません。
「Ivete50」で検索すると違法アップロードも見受けられますが、やはり公式映像で見たいですよね。
「ブラジルの国民的スター」の、節目となる日の特別なライブなので、今後DVD化されることを願っています。
セットリストを作ってみました
正直に白状すると、私は「にわかファン」なので、知らない曲も多かったです。そこで、「にわか」なりに復習しようと思い、放映されたIvete50のセットリストをまとめてみました。
曲名をリストアップしていて気づいたのですが、Banda Eva(バンダ・エヴァ)時代の古い曲から、最新の曲まで、本当に幅広く演奏しています。
大スターのステージって、結構「昔の曲のほうが盛り上がる」みたいなイメージが個人的にはあるのですが、イヴェッチの場合、全然そうではなかったです。最近の曲もすごく盛り上がっていた印象です。アーティストとして今も進化し続けていて、そして愛されているという証しでしょう。
なお、このセットリストは、ツアーのものを参考にし、あとは断片的に聴きとれる歌詞でググってリサーチしたので、誤りもあるかもしれません。また、曲の収録アルバムとして挙げたものは、一番古いオリジナル音源とは限らず、ライブ盤に言及しているものもあります。お気づきのところがあれば、ぜひご指摘していただけると嬉しいです。
「Ivete50」のセットリスト
- Tá Solteira, mas Não Tá Sozinha, “Tá Solteira, Mas Não Tá Sozinha”, Harmonia do Sambaとの共作(2021)
- Tempo de Alegria, “Multishow Ao Vivo: Ivete Sangalo 20 anos”(2014)
- Abalou, “As super novas”(2005)
- Sorte grande, “Clube Carnavalesco Inocentes em Progresso”(2003)
- O Mundo Vai, “O mundo vai”(2020)
- Empurra-empurra, “Beat beleza”(2000)
- Teleguiado, “Live Experience”(2019)
- Pra frente, “Multishow Ao Vivo: Ivete Sangalo 20 anos”(2014)
- Mexe a cabeça, “Onda Boa Com Ivete”(2022)
- Embaraça no beijo, “Onda Boa Com Ivete”(2022)
- Dançando, “Real Fantasia (Deluxe Edition)”(2012)
- A galera, “As super novas”(2005)
- Céu da boca, “Sem Limite”(2008)
CM
- Eva, “Ao Vivo Em Salvador”, Banda Eva(1997)
- Tudo bateu, “Onda Boa Com Ivete”(2022)
CM
- Beleza rara, “Beleza rara”, Banda Eva(1996)
- O Ciúme, “Fera Ferida”, Caetano Velosoの曲(1987)
- ここからバラードのメドレー
- Se eu não te amasse tanto assim, “Ivete Sangalo”(1999)
- Frisson, “Eva, Você e Eu”, Banda Eva(1998)
- Meu maior presente, “Festa”(2001)
- Deixo, “Multishow ao Vivo: Ivete no Maracanã”(2007)
- Quando a chuva passar, “As super novas”(2005)
- Agora eu já sei, “Pode Entrar: Multishow Registro”(2009)
CM
- Onda poderosa, “Onda Boa Com Ivete”(2022)
- O farol, “O Carnaval De Ivete Sangalo – Sai Do Chão (Ao Vivo)”(2015)
- Festa, “Festa”(2001)
- Acelera aê (Noite do bem), “Multishow ao Vivo: Ivete Sangalo no Madison Square Garden”(2010)
- O mundo vai, “O mundo vai”(2020)
- Arerê, “Ao Vivo Em Salvador”, Banda Eva(1997)
ライブ中継を見た感想
年齢、属性を問わず、誰でも楽しめるライブ
この「Ivete50」、本当にすごいライブでした。お祭りみたいな雰囲気で、理屈抜きに楽しくて、見ているだけで元気になるってこういうことか、と。
そして改めて、イヴェッチは年齢や属性を問わず、誰もが楽しめる音楽だと確信しました。実際、ライブのオーディエンスにはいろんな肌の色の人たちがいて、若い子からお年寄りまで、幅広い年代のファン層に支持されていることがうかがえました。
音源より、圧倒的にライブがいい!
ちょっと私の話をします。
私は普段、イヴェッチの音源をただ「聴く」だけで、ライブに行ったこともなければ、ライブ映像も「通し」で見たことはありませんでした。今回、初めて彼女のライブ映像を一時間半見て、アシェーという音楽はただ「聴く」だけでは魅力半減で、やっぱり「ライブありき」なんだな、と痛感しました。
アシェーは、1980年代にバイーアのカーニバルの音楽から発生したポップミュージックです。「祭りの音楽をただ音だけ聴く」ということと、「祭りに行く」ということの間には、深いへだたりがあります。とはいえ、すぐにブラジルに飛んでいけない身としては、せめて「祭りの映像を見る」しかありません。
不思議なのは、音源だけを聴いていたときより、ライブ中継を体験した後のほうが、同じ曲を聴いていても、もっと「楽しい!」という感じがするんです。音楽というのは、なにか「記憶を追体験する」ようなものでもあるんだな、などと考えさせられました。
驚異のスタミナ
ライブ映像を通して見て驚いたのが、こんなにも長時間、飛び跳ねながら歌い続けられるのか、ということ。
イヴェッチは50歳です!
ライブが始まって1時間くらいたったところで、ようやくバラードのメドレーになってブランコに座り、それを見てすごくホッとしました。
放送のしばらく後、ライブ自体は3時間続いたと知って、ちょっと信じられなかったです。あの持久力は、ひたむきな努力の積み重ねなんだろうなと思います。
同じ曲を2回演奏?!
個人的にいいなと思ったのは、“O Mundo Vai”(オ・ムンド・ヴァイ)という曲を2回演奏していたところ。
同じ曲を2回やるって、ブラジルではよくあることなのでしょうか?
「とにかくこの曲が盛り上がって楽しいから2回やるんだ!」という強い信念を感じましたし、実際「まただ~!」となって楽しかったです。
最後に
ここまで、イヴェッチの50歳誕生日記念ライブについて、セットリストと共に、中継のレビューをまとめてきました。本当に楽しくて、観ていて幸せな気持になれる特別なライブだったと思います。DVD化されることを、心から願っています!
なお、イヴェッチについてはこちらの記事もどうぞ。