【2022年】MTV MIAWブラジルの受賞者まとめ

エムティーヴィー・ミャウ・ブラジル2022年 ニュース
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「MTV MIAWブラジル」とは?

トロフィーが三つ並んでいる写真。

2022年7月26日、ブラジル最大の都市サンパウロで、MTVミレニアル・アワード・ブラジル、略してMTV MIAW(エミテーヴェー・ミャウ)の授賞式が開催されました。

MTV MIAWとは、ミレニアル世代、つまり今の若い世代をターゲットとした賞。「今のブラジルで、若い子の間では何が流行っているのか?」を知るうえで、ひとつの指標となります。

オンライン投票で受賞者が決まり、音楽のアーティストだけでなく、SNSのインフルエンサーやユーチューバー、お笑い芸人まで部門があるのも特徴のひとつです。2022年は部門数が35個にのぼり、サッカー選手から流行したゲーム、Eスポーツのチームにまで枠がありました。

2022年の受賞結果の簡単なまとめ

それぞれの部門の受賞者は後でひとつひとつ紹介するとして、2022年のMTV MIAWブラジルの受賞結果を簡単にまとめておきます

今年のアルバム」部門(Album do Ano)は、 Jão(ジャウン)の”PIRATA”(ピラータ)が受賞。

今年のアンセム」部門(HINO DO ANO)は、Pedro Sampaio(ペドロ・サンパイオ)の”Dançarina”(ダンサリーナ)

音楽アーティスト」部門(ARTISTA MUSICAL)は、Ludmilla(ルジミーラ)が受賞しました。

次に、ノミネート数に注目してみましょう。

今年一番ノミネートされたのは、Anitta(アニッタ)Gloria Groove(グロリア・グルーヴ)で、2人ともそれぞれ7部門にノミネートされました。次いでLudmilla(ルジミーラ)が6部門。Pabllo Vittar(パブロ・ヴィター)Zé Felipe(ゼー・フェリピ)が5部門。女優でもあるManu Gavassi(マヌ・ガヴァッシ)が3部門でのノミネートとなりました。

ただ、ノミネート数と受賞結果は別物。ノミネート数は一番でも、Anitta(アニッタ)とGloria Groove(グロリア・グルーヴ)は受賞無し。2021年に主要部門を総なめにしたPabllo Vittar(パブロ・ヴィター)も受賞には至りませんでした。それに対し、Manu Gavassi(マヌ・ガヴァッシ)は3部門をすべて受賞しています。彼女のファンの投票力が際立つ結果となりました。

各部門の受賞者まとめ

それでは、各部門の受賞者をひとつひとつ紹介していきます。

なお、35個ある部門を、「音楽系」と、それ以外の「インフルエンサー、スポーツ、お笑いなど」ということで、二つに分けました。この記事では「音楽系」に注目し、その他の「インフルエンサー、スポーツ、お笑いなど」は後続のリストとしてまとめるに留めます。ノミネートも含む全内容は、こちらの外部記事でご確認ください(Pop Line 2022/7/26)。

音楽系の部門

ORGULHO DO VALE: Carol Biazin

「プライド」部門。LGBTQのアーティストがノミネートされます。受賞したのは、オーディション番組The Voice Brasil(ザ・ボイス・ブラジル)出身のCarol Biazin(カロル・ビアジン)

番組同期のDay Limns(ダイ・リンス)と女同士で付き合っており、SNSやYoutubeでも二人の動画を公開しています。音楽的には欧米の影響を強く受けたポップスをやっていて、若い子に人気があるのも納得がいく実力派シンガーです。

Carol Biazin – GAROTA INFERNAL

COREÔ ENVOLVENTE: Zé Felipe “Malvada”

「流行した振付」部門Zé Felipe(ゼー・フェリピ)のヒット曲が受賞しました。2022年に大流行したジャンル、ピゼイロ(Piseiro)の典型的な曲です。理屈抜きに楽しいダンス・ミュージックになっています。

Zé Felipe – Malvada (Videoclipe Oficial)

FEAT. NACIONAL: Pocah, Lara Silva, MC Mirella, Tainá Costa – Passando o Rodo

「ブラジルのコラボ曲」部門Pocah(ポカー)ファンキ(Funk)の曲が受賞しました。猥雑で女が強い感じのMVも必見です。

POCAH, MC MIRELLA, TAINÁ COSTA, LARA SILVA – PASSANDO O RODO (CLIPE OFICIAL)

HINO DO ANO: Pedro Sampaio feat MC Pedrinho — Dançarina

「今年のアンセム」部門Pedro Sampaio(ペドロ・サンパイオ)MC Pedrinho(エミセー・ペドリーニョ)とコラボしたヒット曲、“Dançarina”(ダンサリーナ)が受賞しました。Anitta(アニッタ)と、レゲトンのスターNicky Jam(ニッキー・ジャム)、フランスのDadju(ダジュ)も参加した国際的なコラボ版のMVを貼っておきます。

DANÇARINA (Remix) – PEDRO SAMPAIO, Anitta, Nicky Jam, Dadju, MC Pedrinho (Official Music Video)

HIT GLOBAL: Coldplay X BTS – My Universe

「グローバル・ヒット」部門。ブラジルでも大人気のBTSが、コールドプレイとのコラボ曲で受賞しました。この部門では昨年BLACKPINKが受賞しており、ブラジルの若者の間でK-Popが人気なことがうかがえます。

Coldplay X BTS – My Universe (Official Video)

HINO DE KARAOKÊ: Marília Mendonça & Maiara e Maraisa – Esqueça-me Se For Capaz

「カラオケのアンセム」部門。2021年11月5日に飛行機事故で亡くなったMarília Mendonça(マリリア・メンドンサ)の曲が受賞しました。タイトルの“Esqueça-me Se For Capaz”(エスクーサ・ミ・シ・フォル・カパス)は、「できれば私を忘れて」。Maiara e Maraisa(マイアラとマライサ)と共にパイロットに扮したこのMVが、マリリア・メンドンサ最後のクリップとなりました。セルタネージョ(Setanejo)界の中でも群を抜いた存在だった彼女は、いまや伝説のスターとして幅広い層のファンから愛されています。

Marília Mendonça & Maiara e Maraisa – Esqueça-me Se For Capaz

CLIPÃO DA P#RR@: Manu Gavassi – Bossa Nossa

「ヤバいクリップ」部門Manu Gavassi(マヌ・ガヴァッシ)の耽美的なMVが受賞しました。

Manu Gavassi – Bossa Nossa

ARTISTA MUSICAL: Ludmilla

「音楽アーティスト」部門は、Ludmilla(ルジミーラ)が受賞しました。ファンキ(Funk)出身のポップスターとして10年のキャリアを持つLudmillaは、サンバ系統のパゴージ(Pagode)というジャンルに挑戦し、商業的にも大成功を収めています。同性婚したパートナーとの新婚旅行を歌ったラブソング、“Maldivas”(マウジーヴァス)は、2022年のブラジルポップスを代表するメロディアスな一曲です。

BEAT BR: MC Cabelinho

「ヒップホップ」部門です。1996年リオ生まれのトラップ系ラッパー、MC Cabelinho(エミセー・カベリーニョ)が受賞しました。

MC CABELINHO – X1 (prod. DALLASS)

DJ LANSO A BRABA: KVSH

「DJ」部門。テクノ、EDMからファンキまで、幅広くいわゆるクラブミュージックのアーティストがノミネートされます。今年受賞したKVSHは、ハウス系のDJのようです。国際的なハウス・ブームを受けての結果かもしれません。

KVSH LIVE SET @ Só Track Boa BH 2022 | BRAZIL (FULL SET)

TRAP NA CENA: Chefin

「トラップ」部門。2004年リオ生まれのラッパー、Chefin(シェフィン)が受賞しました。まだ十代の新人です。

Chefin – Deus é o Meu Guia

¡ME GUSTA!: Tini

「スペイン語圏のアーティスト」部門です。Tini(ティニ)はアルゼンチンの女優、歌手。メイクして歌っている姿がAnitta(アニッタ)に似ているなと個人的に思います。そういったところがブラジルでは人気なのかもしれません(憶測です)。

TINI, Becky G, Anitta – La Loto (Official Video)

ALBAUM DO ANO: Jão “Pirata”

「今年のアルバム」部門。MTV MIAWブラジルで目玉の賞ともされています。

今年の受賞はJão(ジャウン)の”PIRATA”(ピラータ)。UKロックのようでありながら、ブラジルのバラードの郷愁も感じられるポップスです。

また、私の印象として、ブラジルでは男性に「マッチョな男らしさ」が求められているように見えるのですが、ジャウンはそういったマチズモが良い意味で薄くて、次世代のアイコンとして注目の存在です。ちなみにジャウンは、1年前の2021年MTV MIAWブラジルで、”STYLE DO ANO”、「スタイル・オブ・ザ・イヤー」部門を受賞しています。

Jão – Idiota

PRESTATENÇÃO: Vulgo FK

“prestar atenção”(プレスタル・アテンサン)は「注目する」という意味なので、「注目」部門。今年はトラップのアーティストが受賞しました。

Vulgo FK – Oi, Como Ce Tá? (Prod. Wall Hein, Wey e Pedro Lotto)

インフルエンサー、スポーツ、お笑いなどの部門

部門名受賞者概要
ÍCONE MIAWGkayアーティストからユーチューバーまで、いろんなジャンルからノミネートされています。「今年の顔」部門みたいな感じだと思います。
APOSTA MIAWGabbこの賞はよく分からないのですが、インスタやTiktokのようなSNSで話題の人物がノミネートされているようです。インフルエンサー系の賞だと思います。
DUPLA DE MILHÕESVirginia e Zé Felipe「二人組」部門。カップルに限らず、仲の良い二人組のための賞みたいです。結婚したばかりのセルタネージョ歌手ゼ・フェリピのカップルが受賞しました。
BLACK STAR RISING por BETRamana Borbaアメリカのアフリカ系著名人に授与されるBETアワードにあやかったと思われる、いわば「ブラック」部門。SNSで人気のダンサーが受賞しました。
MIAW FASHIONLelê Burnierファッション部門。
VEM NI MIMAlvaroこれは”vem em mim”の口語で、英語でいう”come here”という言葉みたいです。どういう賞なのか、一番よく分かりません…。
MIAW FUTEBOL CLUBECasimiroサッカー選手部門。
FROM BRASIL!Any Gabriellyブラジル発で国際的に活躍している人のための賞だと思います。受賞したのは、ディズニー映画『モアナと伝説の海』でモアナ役の声優をやった方みたいです。
CREATOR SUPREMOJunior CaldeirãoSNSで人気のクリエーターの賞みたいです。
MEME MASTERGustavo Tubarãoミーム・マスター。ミーム(ネタ画像、ネタ動画)を使いこなした人なのか、ミームとなった人なのかはよく分かりません…。
PET INFLUENCERAipim (Manu Gavassi)ペット・インフルエンサー。こんな賞まであるなんて驚きですが、マヌ・ガヴァッシの愛犬のアイピンちゃん、たしかにかわいいです。
HITOU NO PASSINHOVirginiaこれもインフルエンサー系の賞です。ゼ・フェリピと結婚したヴィルジニア・フォンセカが受賞しました。
RI ALTO por Comedy CentralWhindersson Nunesお笑い部門。コメディアンのための賞です。
MARATONEI POR VC!Eleven – Millie Bobby Brown (Stranger Things)ドラマの人気キャラクター部門。世界的に大ヒットしたネットフリックスのドラマ『ストレンジャー・シングス』のイレブンが受賞です。
REALEZA DO REALITYRico Melquiades (A Fazenda/Rio Shore)リアリティー番組部門。
FANDOM REAL OFICIALGavassiers (Manu Gavassi)ファンダム部門。MTV MIAWはネット投票で勝者が決まるので、ファンがSNSでどれだけ組織票を投じられるかが重要です。Manu Gavassi(マヌ・ガヴァッシ)は熱心なファン層に支えられているようで、彼女のファンたちを意味するGavassiersは去年もこの部門を受賞しています。
PODCAST NOSSO DE CADA DIAPodcatsポッドキャスト部門。
STREAMER BRCasimiroユーチューバー部門。
GAME DO ANOFree Fire (27ª Temporada)今年のゲーム部門。
GAMING HEROESLoud (Valorant)Eスポーツのチーム部門。
SAÚDE TÁ OKThais Carlaライフルタイル系のインフルエンサー部門じゃないかと思うのですが、よく分かりません。

最後に

ここまで、2022年のMTV MIAWブラジルの受賞結果をまとめてみました。今のブラジルの流行をとらえる、ひとつのパラメーターとして、注目の内容だと思います。

ただ、サッカーからお笑い芸人までジャンルが多岐にわたるので、音楽ブログとして全部紹介するのは無謀だった気もします。日本在住の私には、そもそも部門名からしてよく分からないし、SNSやYoutubeのインフルエンサーも全然知らない世界なので、後半は単なる羅列となってしまいました。

なお、ブラジル音楽については他にもいろんな音楽賞があり、それぞれ「性質」が異なります。そういったことについてまとめた記事もあるので、よければご覧ください。

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