ポルトガル語、気軽に独学してみませんか?

ポルトガル語学習 雑記
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ポルトガル語、気軽に独学してみませんか?

本やノートをひろげて勉強している人の写真。
Foto de Jacob Bentzinger en Unsplash

ブラジルの文化に興味があるけれど、ポルトガル語が分からなくて困っている──。」

ブラジルの人とコミュニケーションがとりたいけれど、ゆっくり勉強する余裕もない──。」

この記事では、そんなふうにポルトガル語学習を始めようか迷っている方にむけて、

  • ポルトガル語の勉強は、楽しい!
  • ポルトガル語以外でも役立つ!
  • スキマ時間で独学できる!

ということを、私の体験談をまじえてお伝えしたいと思います。

ブラジル音楽が好き、ってだけで、ポルトガル語を勉強していいの?

私は、「ブラジルの音楽が好き」というだけの理由で、30代にしてポルトガル語の独学を始めました。

ただ、独学を始めるまでは、かなり腰が重かったです。

というのも、「ポルトガル語、独学」というキーワードで検索し、ヒットする記事をいろいろ読むと、「ネイティブの人と会話練習するのが必須」とか、「この本とこの本とこの本をやれ」とか、かなり大変なことばかり書いてあったからです。

今思えば、そういった記事は、「駐在する」、「現地のブラジル人とコミュニケーションをとる」といった、高い目標にむけた学習方法を紹介しているものでした。

ところが、目標が低くナイーブな私は、そういった記事を読むたびに、いちいち自己嫌悪に陥っていました。

「この記事を書いている人ほど、私は頭が良くない…。」

忙しいし、まとまった勉強時間なんてとれない…。」

「というか、英語も十分にできないのに、新しくポルトガル語を始めるなんて、おこがましい…。」

「単に音楽が好きってだけで、新しい言語を学び始めるなんて、ばかげているかもしれない…。」

何か新しいことを始めるのには、お金も時間も労力もかかります。まして、新しい言語を学び始めるのに、いろいろ悩むのは当然かもしれません。

内田百閒先生の名言

そんな中、一歩踏み出す後押しをしてくれたのは、小説家でドイツ語教師でもあった内田百閒(ひゃっけん)先生の言葉でした。

「覚えた事は忘れまいとする下司張った根性がいけないのだ。ただ覚えさえすればいい。忘れる方は努力しなくても、自然に忘れる。忘れる事を恐れたら、何も覚えられやしない。」

『百鬼園先生言行録』

ドイツ語が難しくて覚えきれないという生徒の愚痴に対しての返答ですが、とてもいいことを言っていると思います。

実は、私はスペイン語をかじっていました。

スペイン語は、日本人に習得しやすい言語だと言われていますが、私としては、かなり苦労して学びました

動詞を身体に叩き込むのも、スペイン人のハイスピードのスピーキングについていくのも、国によって全然別の言語みたいになるのも、すべて難易度が高かったです。

そうやってなんとか身につけた(と信じたい)スペイン語能力が、よく似ているポルトガル語の学習で台無しになってしまうんじゃないか、という恐怖がありました。

でも、忘れることを恐れていたら、何も習得できない、というのは、核心をついた名言です。

じっさい、言語力は使わなければ衰えるので、ポルトガル語を新しく学び始めていなくても、スペイン語力は衰えていたでしょう。

新しい言語の学習をためらう必要はなかったな、と今は思います。

30代、ポルトガル語の独学に挑戦!

黒板の写真。英語のインポッシブルという文字を、手で隠してポッシブルと見せている。

そんなこんなで、私はポルトガル語の学習を始めました。

といっても、語学教室に通ったり、ネイティブの人と会話する時間をつくることはできなかったので、あくまでも独学です。

私の学習環境は、こんな感じでした。

  • ポルトガル語学習だけのために、がっつり時間をとることはできない
  • お金をかけないで、なんとかしたい。
  • 30代で知力も体力も衰えつつあるので、無理をしたくない

こうして列挙してみると、わがままで無茶苦茶ですが、それでも独学を始めました。

どんな教材を使ったか、など、具体的な学習方法については、こちらの記事をご覧ください。

ポルトガル語学習で、世界を見る目が変わる?

めがねの写真。ぼやけた風景が、眼鏡をとおしてはっきりした森に見えています。
Foto de Bud Helisson en Unsplash

独学するといっても、まとまった時間をとることができないので、スキマ時間に勉強するしかありません。

そこで、ふだんボケーっとスマホを見ている時間を、すべて「ポルトガル語学習」につぎ込みました

これ、かなり「意識高い」ように聞こえますが、実際にやってみると、ことのほか面白かったです。

私はもともと受験勉強が大嫌いで、高校3年生のときは泣きながら勉強した記憶があります(本当に毎日泣いていました…)。

でも、自分で決めてやる勉強、好きだからやる勉強って、こんなに面白いんだなと改めて思いました

たとえばコーヒーを飲むときも、「あれ、『コーヒー飲みたい』ってポルトガル語ではなんて言うんだっけ?」と考えて、調べながら飲む。

そして、「コーヒー」「砂糖を入れる」「そろそろコーヒー飲みたいね」みたいな一連のボキャブラリーと会話文を、ノートに書いていく。

もちろん、覚えてもすぐ忘れるんですが、忘れてもしょうがないとあきらめ、ひたすら覚えていくと、大事なことは身についているものです。

同じように、人間関係でツラくなったときも、「『この人、意地悪すぎる』ってポルトガル語でなんて言うのかな?」と調べたりしました。

調べてノートに書くころには、嫌な気持は無くなり、新しいことを覚えられたワクワク感に置き換わってしまうのが不思議です。

これは、新しい言語を学ぶ面白さのひとつでしょう。

世界を見る目が変わるというか、ありとあらゆるものが新鮮で面白く見えてくる、というか…。

日本語で硬直化した現実をリセットするような、不思議な効果が、語学学習にはあると思います。

語学学習は、「怖い」のではなく、本当は面白い

ところで、私は英語学習に、あまり良い思い出がありません。

学校や塾で、テストのために英単語を丸暗記させられて、忘れると悪い点数になってしまうのは、恐怖でしかありませんでした。

そしてなにより、外国の人とうまくコミュニケーションがとれないと、「恥ずかしい」と思ってしまいます。

私にとって英語は、「恐怖」と「恥ずかしさ」に追われて勉強するものでした

そして多くの人もそうだから、その「恐怖」や「恥ずかしさ」を克服している人が、「勝ち組」みたいな扱いをされるのだと思います。

そんな中で、自分のためだけに新しく言語を勉強する、という経験は、私にとって、意義があることでした。

誰も「そんなレベルじゃダメだ!」なんて言ってきません。

人から評価されないところで、ひっそりと、自分の学習を進める。

このとき、人と比べない、ということが大事だと思います。

自分より優秀な人、自分よりも学習環境が整っている人は、いくらでもいるわけです。

それは百も承知の上で、「自分は自分」と言い聞かせ、ひとつひとつ単語を覚え、自分のペースで勉強していると、学習し続けているということ自体に、だんだん自信をもてるようになります

「こんな続けられて、自分すごい!」という感覚です。

そういった意味で、私の場合、独学は自己肯定感アップにつながりました。

ポルトガル語学習で、同時に英語力もアップする

英語の教科書が積まれている写真。
Foto de Clarissa Watson en Unsplash

私は、ポルトガル語と同時に英語も勉強する、というスタンスで独学をすすめました。

まわりくどくて時間がかかりましたが、この地道な学習のおかげで、英語力がアップしたと感じています。実際、約20年ぶりにTOEICを受けたとき、短期間の試験対策でスコア955点を取ることができたのは、ポルトガル語学習の成果でもあったように思います(TOEIC受験についてはこちらの記事をどうぞ)。

私がどんな勉強方法を実践したか、具体的に紹介します。

「ポルトガル語-英語」の辞書を使う

ポルトガル語の勉強するときは、基本的に、英語のポルトガル語辞書を使いました。なお、英語のポルトガル語辞書には無料のアプリがあり、ケチな私にとって、その点もありがたかったです。

ポルトガル語を英語辞書で勉強すると、両方の言語に共通するラテン語由来の語彙を一気に増やすことができます

たとえば、「amplo」というポルトガル語があります。

この言葉をポルトガル語-英語辞書で引くと、「spacious、broad、ample」という意味が出てきます。この3個の英単語のうち、私は「ample」という言葉が分からなかったので、英和辞書をさらに引くことになりました。そして、英語の「ample」に、「広々とした」「豊富な」といった意味があり、古典ラテン語由来の言葉であることを学びました。

英語もポルトガル語も、両方とも古典ラテン語にルーツをもっているために、「似た単語」がたくさんあります。こうした「似た単語」に気づき、習得していくことで、英語のボキャブラリーを増やすことができるはずです。

また、「似た単語」に限らずとも、ポルトガル語と同時に、英語に必ず触れることになります。ある意味、「英語を使わざるを得ない」環境に身を置いているわけで、英語力が磨かれるのは当然かもしれません。

英語のYoutubeチャンネルを見る

ポルトガル語は、発音イントネーションが大事な言語です。音声を聴く学習は必須となります。再生速度を調整できるYouTubeを活用するのがオススメです。

ポルトガル語学習の動画は、日本語でもたくさんありますが、英語を同時に学習したい方は、ぜひ英語話者のための動画を視聴してみてください。

Numbers in Portuguese from 0 to 100

YouTubeチャンネルSpeaking Brazilian Language School」は、アメリカ人向けに作られているブラジル・ポルトガル語の学習教材です。ポルトガル語字幕だけでなく、英語字幕もついているのが特徴です。

まず最初に英語字幕を読み、意味が分かったらポルトガル語に集中して視聴し、最後はシャドーイングしていきます。これだけで、両方の言語を学習することができます。

私は最初、英語字幕を読むのすらスピードが追い付かず、一時停止しながら視聴していました。でも、動画をたくさん見ていくうちに、ちょっとずつ英語字幕を読むスピードが上がっていきました。

また、ポルトガル語も英語も、両方とも似た言語で、単語語順文法が似ています。ここに貼った数字に関する動画をちょっと見るだけでも、それに気づくはずです。そして、両方の言語をこのチャンネルで勉強しているうちに、少しずつ「印欧言語脳」になれる──ような気がするのは私だけでしょうか。

最後に

ここまで読んで下さり、ありがとうございます。

新しい言語を勉強するのには、ものすごい労力が必要です。

私の感覚としては、「初級」レベルはなんとかなっても、「中級」以降は一気にしんどくなるように思います。

山登りで、山頂に近づくほどつらい、というのと同じでしょう。

でも、みんながみんな、エベレストを踏破しなくてもいいのであって、もっと気楽にトレッキングを楽しんでもいいのではないかと思います。

ポルトガル語を「マスター」しなくてもいい。

「現地で通用するポルトガル語」を身につけなくてもいい。

「趣味」として入門レベルのポルトガル語を楽しんで、ついでにブラジル文化のことを知れたり、英語力もアップするとしたら、かなりオトクじゃないでしょうか?

私もまだまだ「登山口をウロウロしている」レベルの学習者です。同じように「とりあえず勉強を始めてみよう!」という仲間が増えれば嬉しいです。

なお、オススメの勉強方法については、次の記事をご覧ください。

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