TOEIC対策、どうやって勉強するか
TOEICの勉強法の記事、第二弾です。前回の記事では、私のスぺック、勉強した期間やお金の話、役に立った勉強方法にふれました。
今回の記事では、TOEIC対策にオススメの教科書とアプリを紹介します。
留学経験ゼロでリスニングが苦手のアラフォーが、どんな勉強をしたらスコア955点を取得できたか。なるべくお金をかけないで勉強するには、どうしたらいいか。教科書をやってみた感想もふくめ、私の経験談をまとめました。TOEICに関心のある方は、ぜひ最後までお付き合いください。
TOEIC対策にオススメの4冊、やってみた感想
TOEIC L&Rテスト 究極の模試600問+
「何か一冊だけ買って、TOEIC対策したい」という方にオススメしたい、模試問題集です。3回分の模試と、その中の問題で構成された1回分の模試が収録されています。
筆者のゼミ指導の経験をもとに解説が書かれていて、勉強方法の指南や、「どうしたらイギリス英語に慣れる?」みたいな質問コーナーもあるのが特徴です。その際、TOEICで点数をかせぐための小手先の技術ではなく、英語力を伸ばしてハイスコアをとるための学習法が書かれていて、私は信頼できると感じました。
このテキストに出てくる単語をすべて身につけ、本の指示通りの学習法を実践すれば、かなりの実力がつくはずです(ただし、私は付録のゼミ動画を視聴していないので、その点についてはコメントを控えます)。
また、「もうTOEIC対策はいろいろやったけれど、模試はやっていない」という方にもオススメです。
というのも、TOEICは「2時間集中する」ということが試されるテストで、「集中するための訓練」が必要になります。集中力を鍛えるために、4回分の模試ができるこの本は最適です。
私の場合、この模試を何回かやってみて、リスニングの20番台とPart3中盤で必ず集中力が途切れる、という自分の傾向に気付かされました(それぞれ「魔の20番台」、「悪夢のPart3」と名付けてました)。そこで、聞き取れなくても「これは魔の20番台だ、しょうがない」とあきらめ、いったん深呼吸して次につなぐようにして、本番でも集中力を切らさないでいることができました。
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
TOEICのリーディングのうち、Part 5、Part 6に特化した問題集です。1049問の文法問題と解説に加えて、それらの問題をランダムに入れ替えた小冊子がついてきます。文法、語法、語彙の総点検ができ、また、無料アプリですべての文章の読み上げを聞けるので、シャドーイングの練習もできます。
この本は、例えるなら「英語の筋トレ」のための本です。
私は冊子本体を2回、小冊子を2回、合計4回解き、すべての文章について、滑らかに言えるようになるまでシャドーイングしました。その結果、TOEICのリーディングを解くのが速くなっただけでなく、他の英文でもスピーディーに精読することができるようになったと思います。
また、スキマ時間にササっとできるのも魅力です。やる気が出ないときもとりあえずこの問題集にだけは取り組む、という習慣をつくることで、英語学習が継続できたと感じています。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
いわゆる「金フレ」。TOEICの単語帳のベストセラーで、売れているのも納得の内容です。
この単語帳は、リスニングが苦手な人に、特にオススメです。
私自身がそうだったのですが、英単語を音声で聞いて身につけていないことが、リスニングできないことの原因だったりします。特に、一定の年齢以上の人は、今ほど英語学習の音声コンテンツが無かったので、単語をスペルで覚えているはずです。そのため、文字で見たときには「rafting」が「ラフティング」のことだと分かっても、リスニングでは聞き取れない、ということが起こるんです。
私にとって、この単語帳を暇なとき眺めたり、無料アプリの音声を聞き流ししたことは、ボキャブラリー強化だけでなく、リスニング能力の向上にも役立ちました。
公式TOEIC Listening & Reading 問題集 9
TOEICの公式問題集です。2回分の模試が入っています。
最初に断っておくと、この公式問題集を徹底的に学習するべきか、出てくる単語を全て覚える必要があるかどうか、私には分かりません。私はとりあえず全部の単語を覚え、それぞれの模試を2回解きましたが、使用頻度の低い単語も多く、あくまで「実際の試験に慣れる」ための訓練だった気がします。
それよりも、公式問題集の魅力は、リスニング問題のナレーターが本番と同じ、という点にあります。
TOEICのナレーター陣は、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、それぞれの地域出身者で構成されていて、発音にも国ごとの特徴が現れています。
そういった方言だけでなく、ナレーターとの相性みたいなものもあり、人によって聞き取りやすいと感じたり、聞き取りにくいと感じたりするはずです。
たとえば私の場合、オーストラリア英語の聞き取りが苦手なのですが、TOEIC公式のオーストラリア系ナレーターの声は好きで(大塚芳忠さんに似ている!)、なぜか聞き取れるんです。一方で、カナダ系のおじいさんの声は、どういうわけか聞き取れず、このおじいさんが出てくる問題は私にとっての「捨て問」になってしまう、という状態でした。
こういう「聞き取りにくいと感じる声」は、誰にとっても存在すると思います。実生活では聞き直したりすればいいのですが、TOEICは一度しか音声を聞けないので、慣れておかないと致命的です。
慣れるために、私はとにかく何回も聞いて、シャドーイングして、最終的には再生速度を1.2倍にして、繰り返し聞き続けました。
リスニングの最終目標は、あらゆる人の英語に慣れて、どんな発音も聞き取れるようになる、ということだと思います。そのためにも、まずはTOEICの公式ナレーター全員に慣れることが、その先の英語力向上の第一歩になるのかもしれません。
学習に役立つ無料アプリ、ウェブサービス
ここからは、TOEICの勉強で使えるアプリやウェブサービスを紹介していきます。無料(タダ)で利用でき、実際に勉強に役立ったものです。
WordHolic
WordHolicは、スマホの単語帳アプリです。
パソコンのExcelで作った単語帳を、スマホに取り込むことができます。Googleスプレッドシートでもいけるみたいです。英語を読み上げてくれるので、発音もセットで覚えることができます。
アラフォーの私は最初、使い方に戸惑いましたが、ググると分かりやすい記事が出てくるので助かりました。とても使い勝手がよく、効率的に単語を覚えられるアプリだと思います。特に、例文や語法の解説などを「コメント」として登録できるのが良いです。
ウェブページ 英辞郎 on the web
私は有料の英和辞典を持っていません。ケチなので、タダで済ませています。
そんな私がウェブ上の無料辞書の中で一番オススメするのは、英辞郎です。アプリ版もあるのですが、ブラウザ版の方が一覧性が高く、使いやすいように感じます。
私はこのページのリンクをスマホのホーム画面に貼って使っています。
ウェブページ Cambridge English Dictionary
英英辞書です。アプリ版は課金が必要ですが、無料のブラウザ版だけで十分です。
語法も見やすく、例文も豊富で、英単語のイメージをつかむのに役立ちます。画像が豊富なのも嬉しいところです(たとえば「awning」と検索すると、その画像が表示される)。
イギリス英語・アメリカ英語・ビジネス英語に分かれて意味が表示されます。
Abceed
Abceedは、TOEIC教材を数多く出している出版社のアプリです。課金してサービスを最大限使うこともできるのですが、私は課金せずに無料で使っていました。
無料でも、たくさんの本のリスニング教材が聞き放題です!本当に気前がよくて助かります!
私は以下2冊の教材の音声を無料で聞いて、TOEIC対策をさせてもらいました。
ただし、あたりまえなのですが、無課金だと文字起こしを読むことができません。
「何度聞いても何と言っているのか分からない」という場合、再生速度を0.8倍にして、聴こえた音声を耳コピして覚え、それをスマホの音声認識機能でテキスト化し、DeepLに翻訳させると解決したりします。実際、私はこのやり方でたくさんのフレーズを特定し、覚えることができました。テキストも買わずアプリも課金せず、セコい使い方かもしれませんが、「お金をかけず工夫して勉強する」ということに私はロマンを感じています。
もちろん、お金のある方は、迷わず課金することをオススメします。
DeepL
DeepLは、「英語、勉強する必要なくね?」と思わせるツールでもありますが、使いようによっては語学学習に役立ちます。
もう使っているかもしれませんが、まだなら是非、スマホにアプリを入れてください。そしてパソコンには、Chrome拡張機能をインスト―ルしておいてください。
私がTOEIC対策をしていたときは、英英辞書の例文の意味が分からなかったときや、多読の訓練としてネット上の英文を読んでいるとき、大活躍しました。辞書を引くまでもないとき、あるいは、辞書を引いても分からないとき、とりあえずDeepLに和訳してもらうと、学習がはかどるはずです。
Google Map
前回の記事でも書いたように、私がTOEIC対策として効果があったと思うのが、「移住したつもり勉強法」です。
どこか海外に「移住したつもり」になって、ネットの情報を現地の言語で読みまくる、というものです。私が思いついて勝手にやっているだけなのですが、提唱している人は他にもいるかもしれません。
この勉強法で使うのが、グーグルマップです。
私はTOEIC対策として、アメリカのサンフランシスコに「移住したつもり」になって、暇なときにネット上の情報をあさり読みしていました。
まずはGoogleで、良さそうな物件を探すことから始めます。そして、そこに住んだつもりになって、Google Mapをひらき、近くの公共機関、病院、レストラン、スーパーやジムなどのウェブページと口コミを、現地の言葉で読みまくっていきます。「次はこのカフェに行きたいな」とか思いながら…。完全な妄想なのですが、かなり楽しいです。
そして、「楽しい」、「自分と利害関係がある」ことって、記憶に定着しやすいんです。
実際、こうしたGoogle Mapを活用した多読の訓練は、TOEICのPart7対策になったと思います。TOEIC系統の英文を読むのが速くなっただけでなく、日本に住んでいると想像もつかないような商業形態や生活文化が垣間見れるので、どんなシチュエーションが試験問題に出ても、動じなくなるんです。TOEICの世界で起こる想定外の出来事が苦手という方は、ぜひ「移住したつもり学習法」をやってみてください。
YouTube
ユーチューブにも英語のコンテンツは溢れています。再生速度を調整できたり、自動字幕機能があったりするので、PodCastよりも語学学習に向いていると思います。
ただ、いつのまにか関係のない動画を見てしまうので、気が散りやすい人は注意が必要です(私は何度も失敗しました…)。
英語学習で私が一番オススメするチャンネルは、「あいうえおフォニックス」です。リスニングが苦手だった私は、このチャンネルが無かったら詰んでいたと思います。
また、私はアメリカのABC、イギリスのBBC、オーストラリアのABCなどのニュースチャンネルを登録し、気になるニュースだけ視聴していました。中でもアメリカABCの「Good Morning America」は、時事問題よりもエンタメ寄りの内容なので、英語の学習に向いていると思います。
最後に
ここまで読んで下さりありがとうございます。
何度も書いてきましたが、私はリスニングがとにかく苦手でした。そして、「留学経験ゼロだから、リスニングできなくても仕方がない」と思い込んでいました。
でも、TOEIC対策をしていく中で、
- 英単語を音声で覚えていなかった
- 高校生のときは図書館で勉強していたから、声に出す学習がゼロだった
- そもそも聴ける教材がそこまで無かった
など、リスニングできない本当の理由に気付かされたんです。今ふりかえってみると、「英語圏に行ったことがない」という事実に甘え、リスニングから逃げていたところもあった気がします。
また、何度もTOEICの教材を聴いているうちに、
- 部分的には聞き取れているのに、少しでも聞き取れない所があると、パニックになってしまうクセがある。
- wの発音に、いちいちびっくりしてしまう。特に、whileやforwardは絶対に聞き取れない。
などなど、自分の「弱点」にも気付かされました。こうした弱点に気づき、何度もシャドーイングするなどして、ひとつひとつ克服していったのが、リスニング能力の向上につながったと思います。
一通り英語を勉強したけれどリスニングが苦手という方は、数カ月間の独学で、かなり聞き取れるようになるはずです。
留学しなくても、英会話に通わなくても、英語は聞き取れるようになる。
お金をかけなくても、TOEICでハイスコアが取れる。
アラフォーで記憶力や集中力が落ちても、大丈夫。
そのことが、前回の記事とあわせてお伝えできたら嬉しいです。