2025年の大ヒット曲「P do Pecado」
2025年、パゴージのバンドMenos É Mais（メノゼマイス）がセルタネージョのトップスターSimone Mendes（シモーニ・メンジス）とコラボした曲が、大ヒットしています。
曲名は「P do Pecado」（ペー・ド・ペカード）。セルタネージョ風の歌をパゴージ風にアレンジしたオリジナル曲で、MVでは、広場でアーティストと聴衆が輪になりライブを楽しむ、伝統的なパゴージの演奏形式を見ることができます。
この曲は2025年4月30日にリリースされ、その後Spotifyブラジルのトップソング・ランキング（Top Songs Brazil）で1位を維持。
Menos É Mais（メノゼマイス）といえば、2024年8月30日にリリースされた「Coração Partido」（コラソン・パルチード）が大ヒットしたばかりです。この記事を書いている2025年5月29日も、Spotifyの同ランキングの11位に入っており、異例のロングヒットをとげています。
「Coração Partido」（コラソン・パルチード）は、スペインのAlejandro Sanz（アレハンドロ・サンス）が1997年に発表した曲、「Corazón Partío」（コラソン・パルティオ）のカバーでした。
この曲だけでなく、もともとメノゼマイスは、昔の曲をパゴージ風にアレンジして頭角を現し、人気を獲得しています。
ブラジルのトップソング・ランキングは、セルタネージョが大半を占め、その中でパゴージがランクインするのは珍しいことです。今回、セルタネージョとパゴージを融合させたオリジナル曲がチャート1位に達するほどヒットしたということで、その意義はとても大きいと思います。
Menos É Mais（メノゼマイス）とは？
Menos É Mais（メノゼマイス）は、2016年にブラジル中西部のブラジリア連邦直轄区で結成されたパゴージのグループです。
2022年のアルバム「Confia」（コンフィア）が大ヒットし、中でもフォホー歌手Matheus Fernandes（マテウス・フェルナンデス）とコラボしたフォホー風の楽曲「Lapada Dela」（ラパダ・デラ）はバイラルヒットをとげ、Spotifyのトップ3に到達。パゴージとして前例のない快挙となりました。
ほかにもブラジル・ポップス界のトップスター、Anitta（アニッタ）やLudmilla（ルジミーラ）、Luísa Sonza（ルイーザ・ソンザ）ともコラボしています。今現在の流行にチューニングを合わせてパゴージをやっていることが、ヒットの理由なのかもしれません。
Ludmilla（ルジミーラ）のアルバム「Numanice #3」（ヌマナイシ・トレス）に収録されているこの曲は、私もとくに大好きな一曲です。
さいごに
Menos É Maisは、2020年代のパゴージ・ブームを支えてきたともいえるグループです。これまでもセルタネージョ、フォホー、ポップス、様々なジャンルのアーティストと積極的に共演し、確固たる人気を得てきました。Simone Mendesという超人気歌手とのコラボは、大ヒットしないわけがありません。
ブラジルでの流行の波に乗って、日本でもMenos E Maisの曲がもっとカラオケで歌えるようになるといいな、と期待しています！
