Marina Sena(マリーナ・セナ)とは、誰?

マリーナ・セナ アーティスト紹介
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マリーナ・セナとは、誰?

Marina Sena “Por Supuesto”

一度聴いたら忘れられない特徴的な歌声と、芸術作品のようなコケティッシュな容姿。

彼女の名前は、Marina Sena(マリーナ・セナ)2021年のブラジル音楽界で話題をさらい、ブラジル音楽の新星として、いま注目されています。

この記事では、彼女が大ヒットするまでの経歴をたどり、その魅力に迫ります。

マリーナ・セナのバイオグラフィー

田舎町からミナスの新星へ

マリーナ・セナは、1996年9月26日、ミナス・ジェライス州の北部にあるTaiobeiras(タイオベイラス)という小さな街で生まれました。

ミナスジェライスの景色の写真。
ミナスジェライスの町の景色。タイオベイラスではありませんが、典型的な風景の一枚。

タイオベイラスは、都心と呼べるところまで車で半日以上かかる、へんぴな田舎町。田舎町でよくあるように、住民は噂好きで、少し露出した服を着て出歩くだけで陰口を言われたそうです。

そこで工場を経営する家族のもと、子供のころは毎週末パゴージの演奏会に通い、普段はMPBやアメリカのヒット曲を聴いていたとのこと。15歳になると、ギターを片手に作曲を始めました。

地元が窮屈になった18歳、ミナス・ジェライス州では大きな町であるMontes Claros(モンチス・クラロス)に引っ越し、バンドを結成。A Outra Banda da Lua(ア・オートラ・バンダ・ダ・ルア)のボーカルとしてライブ活動を始めました。サンバを取り込んだ実験的なロックで、地元ではすぐに有名になり、アーティストとして手ごたえを感じたそうです。

ただ、アルバムの制作には時間がかかったようで、EPもアルバムも、だいぶ後になってからリリースされています。

2019年には、Luiz Gabriel Lopes(ルイス・ガブリエル・ロペス)のバンドRosa Neon(ホーザ・ネオン)に参加。ミナス・ジェライスのインディーズバンドとして、ブラジル全土で注目されるようになりました。

日本でもCDが輸入され、Disk Unionでは「ネオ・ソウル/シンセポップ・バンド」として紹介されています(リンクはDisk Unionの通販サイトに飛びます)。

Rosa Neon “Ombrim”

↑ Rosa Neonのアルバムの曲。もう既にマリーナ・セナらしさが全開で出ています。

2020年には、A Outra Banda da Luaのデビューアルバムとなる“A Outra Banda da Lua”をリリース。

A Outra Banda da Lua “Serra do Mel”

2021年にはA Outra Banda da Lua名義でEP “Catapoeira”を発表し、このアルバム制作を最後に、マリーナ・セナはソロ活動へと移行します。

ソロデビュー ”De primeira”

コロナの流行で活動が制限される中、バンド活動に見切りをつけた彼女は、ソロ活動を開始しました。

ソロアルバムの準備自体は、2020年3月から始まり、それまで書きためた曲や新たな曲をまとめ、プロデューサーとリモートワークでアルバムを制作したそうです。

そういった事情もあり、デビューアルバムのギター演奏作詞作曲はすべて(”Me Toca”を除く)、マリーナ・セナが一人でやっています

2021年1月、アルバムに先行するシングル”Me Toca”(ミ・トカ)をリリース。すぐにSNSで話題になりました。

Marina Sena “Me Toca”

同年の8月にはアルバム”De Primeira”ジ・プリメイラ、「最高の」「一番の」という意味)をリリース。

このアルバムは、評論家から高い評価を得ただけでなく、デジタルプラットフォームで異例の人気を見せ、2021年、数々の音楽賞を受賞。

中でも、この記事の冒頭で紹介した曲“Por Supuesto”は大ヒットし、長期にわたってSpotifyのチャート上位にランクインし続けました。

なお、アルバム全曲について、反復映像をつけた「ヴィジュアライザー」がYoutubeで公開されています。どれも、ファッションやポージングでマリーナ・セナの世界観がよく表れており、必見です。

Marina Sena “Pelejei”

マリーナ・セナの魅力

新しいMPB

マリーナ・セナの音楽の魅力は、伝統と、実験性と、ポップさが、絶妙なバランスをとって共存していることではないでしょうか。

実際、彼女が敬愛するアーティストとして名前を挙げているのは、Gal Costa(ガル・コスタ)Djavan(ジャヴァン)といったMPBの大御所ですが、一方でAnitta(アニッタ)も大好きだと公言しています。

MPB(エミ・ペー・ベー)というジャンルは、Música Popular Brasileira(ブラジルのポピュラー音楽)の略称ですが、かつてビートルズなど海外の音楽の影響を受け、ボサノヴァを超える革新的な音楽として生まれました。

でも、今、MPBというと、大御所が絶えず実験的な挑戦をしていたり、すばらしい作品が生み出されている一方で、「ポップ」というよりも玄人受けする音楽だと思います。

そんな中、マリーナ・セナは、いわゆるMPBの枠を超え、あくまでもポップな音楽を作りたいと語っています。デビューアルバムは、キャッチ―なサビにこだわって制作し、自分でもヒットすると確信してリリースしたそうです。

アートのようなビジュアル

また、彼女はビジュアル面でも独特の存在感を放っています。

セクシーでありながら、少女のような、少年のような、両性具有的な色気。ヘアメイクやファッションも素敵ですが、インスタで見せる飾らないすっぴんの表情も、ジェンダーを超えた魅力があって、私は好きです。

最後に

ミナス・ジェライスの田舎町から飛び出した、新進気鋭のシンガー・ソングライター、マリーナ・セナ。

伝統的なMPBの精神を受け継ぎつつ、新たな「ブラジルのポップ・ミュージック」をけん引するアーティストとして、今後の活躍に注目です。

なお、この記事は、以下のインタビュー記事を参考にして書きました。リンクは外部記事に飛びます。

【2023/5/2更新】セカンドアルバムについて書いた記事をアップしました。

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