予算10万円くらいで、良質なオーディオ
「オーディオの世界はよく分からないけれど、音質の良いスピーカーで音楽を楽しみたい。」
そんな方に向けて、この記事ではブラジル音楽ファンの私が自信をもってオススメするオーディオを紹介します。
オーディオの世界は奥深く、高いスピーカーだと、車が買えるくらいの値段がするものまであります。そんな中で、私がずっと探し求めていたのは、あくまで手の届く価格帯で、素人の私が聴いても「良い音だな」と分かるような機材。スピーカーだけでも、どこにでも売っている安い製品から、数十万円する製品の中古品まで、色々なものを試してきました。
そして最近になってようやく、納得のいく機材にたどりつけた気がしています。Dali(ダリ)のOberon1と、Marantz(マランツ)のM-CR612です。

この記事では、この2つの製品について、私なりの言葉で魅力を語ってみようと思います。技術的な専門用語は使わず、オーディオ初心者の方でも分かりやすいように、「選び方のコツ」みたいなものもご紹介します。オーディオ選びのご参考になれば嬉しいです。
私がオーディオに求めるもの
まず最初に、私がオーディオに求める性能をはっきりさせておきます。
というのも、オーディオは、目的によって適切な機材が変わってきます。ホールで大音量を響かせるのか、自室で楽しむのか。クラシックを聴くのか、ロックを聴くのか。こういった目的が明確でないと、機材とミスマッチが起き、「思ってたのと違う」となってしまいます。
私がオーディオに求めるのは、次の4点です。
①小さな音でも音質が良い
私はマンションに住んでおり、壁が薄く、大音量で音楽をかけることができません。重低音をガンガン効かせるオーディオは、近所迷惑になるのでNGです。
なので、「小さな音量でも音質が良い」というのが、私の一番重視するところでした。オーディオ専門店でも、あえて音量を絞って試聴し、聴き比べました。(あのときの店員さん、本当にお世話になりました!)
②手ごろなサイズ感
私の家は狭いので、大きなオーディオを置くことができません。機器や配線がごちゃごちゃするのも、正直困ります。
だから、実物のサイズ感を見て確認し、なるべくコンパクトなものを選びました。
③アコースティックな音質
私はブラジル音楽をよく聴きます。もっと具体的にいうと、ボサノヴァ、MPB、サンバ(パゴージ)、ジャズ、ロックを室内でBGMとして流すことが多いです。
なので、そういった音楽が美しく聴こえる、ということを重視してオーディオを選びました。アコースティックな弦楽器や打楽器の質感が再現される、ボーカルの温かな質感が伝わってくる、そして、楽器ひとつひとつの音が独立して聴こえる、そんなオーディオが理想、ということになります。
④予算は全部あわせて10万円くらい
音質にこだわりだすと、いつのまにか数10万円レベルのオーディオに行きついてしまいます…。オーディオ沼の怖いところです…。
そんなお金は無いので、あくまで総額10万円くらいで全部をそろえることを目標に機材を探しました。オーディオの世界では「安い」とされるグレードなのですが、それでも私としては「高すぎる…」という感想でした。
この4点をすべて満たすオーディオが、MarantzのアンプとDaliのスピーカーでした。
2025年6月2日のインターネット価格だと、アンプが56,502円、スピーカーが49,454円で、あわせて105,956円。ケーブルなどは勘定に入れておらず、10万円オーバーですが、まあ許容範囲ではないでしょうか。
Marantz M-CR612
マランツのこのコンポは、オーディオ初心者の方に、とにかくオススメです!
まず最初の前提として、オーディオは、次の要素で構成されています。
- プレイヤー
- アンプ
- スピーカー
- ケーブル
レコードを聴く場合は、フォノイコライザーも必要になりますが、私はレコード派ではないのでその話は割愛します。
CDの場合、必要な機材は、CDプレイヤー、アンプ、スピーカー2台、ケーブル、ということです。
これだけで、かなり場所を取りますよね…。
さらに、いざCDを再生するときは、まずプレイヤーの電源を入れ、次にアンプの電源を入れなければいけません。電源を切るときは、アンプから先に切り、次にプレイヤーを切ります。
こういった操作を「楽しい!」と思う人は良いのですが、私は「めんどくさい…」と思うタイプの人間です。
そんな中で、マランツの M-CR612は、CDプレイヤーとアンプが一体になっています。圧倒的にコンパクトだし、操作がラクです!
さらに、USB、Bluetooth、FM/AMラジオ、世界中のインターネットラジオも受信できます。
これが、かなり便利です。スマホやPCからBluetoothを飛ばして聴くこともできるし、なんとなくラジオをかけることもできる。リオデジャネイロのラジオ局、FM O Dia(エフィエミ・オ・ジア)も聴けます(リオ気分が味わえてオススメ!)。
使ってみて、「ほんとうに気軽に、オーディオで音楽を楽しむことができるようになった」と感じています。
もちろん、音質も文句なし。安いアンプと比較して、その違いは聴いた瞬間に分かるレベルです。
DALI のOBERON1
スピーカーは、オーディオ専門店でPOLKやB&Wの10万円以下の製品と聴き比べて選びました。どの製品も、それぞれの良さがあり、本当に「その人の趣味」がすべてなので、「これが最高」と断言することはできません。
そんな中で私のニーズに合ったのは、Daliでした。
PolkのReserveは、DaliのOberon1よりも低音がしっかりしていて、かなり魅力的に感じました。いろいろなオーディオ雑誌で絶賛されているのも納得です。一方で、サイズ感が大きく、狭い部屋に置いたら圧迫感がありそうで、小さいながらも良い音質のDaliに軍配が上がりました。部屋が広かったり、「大きいほうがカッコいい」と感じる人にとっては、Polkが良いかもしれません。
B&Wは、どのシリーズか名前を忘れてしまったのですが、音がはっきりとしていて、まさに「解像度が高い」という感じでした。音の立体感や質感をじかに感じたい、という方や、音楽を制作する方にとっては、最高の機材なのではないでしょうか。ボーカルの声のかすかな震えや息遣いまで伝わってくるようでした。ただ、「音の解像度が高すぎると、聴いていて緊張するかも…」と私は感じました。部屋でBGMとして音楽を流す、という用途なら、あえてそこまで解像度が高くないほうがいいかもしれません。こういった感じ方も、人それぞれなのだと思います。
これらの製品と比較してみて、DaliのOberon1は、アコースティックな音楽を狭い部屋で流すのに向いていると感じました。小さな音量でも、楽器ひとつひとつの音が立体的に聞こえ、打楽器や弦楽器の質感もリアルに再現されます。サイズ感が小さいことも、私としてはポイントが高かったです。
ぜひ試聴を!
オーディオが気になっているという方は、ぜひお店に足を運んで、実物で試聴してみてください。お店にもよるかもしれませんが、きっと快くOKしてもらえると思います。
その際、ご自身が普段よく聴く音楽のCDを持参されるのがオススメです。
私の場合、オーディオの性能をはかるためにサンプルにするのは、Caetano Veloso(カエターノ・ヴェローゾ)です。とくにアルバム「Noites do Norte」(ノイチス・ド・ノルチ)の1曲目「Zera a Reza」(ゼラ・ア・ヘザ)は、ドラム、アコースティック・ギター、カエターノの声、それぞれがどう聴こえるか、順番に音質を確かめることができます。
良いオーディオで再生すると良さがはっきりと表れる作品で、このアルバムが美しく聴こえるオーディオが、私にとって「良いオーディオ」となっています。
最後に
オーディオの世界は本当に奥深く、こだわるなら、いくらでも良い音質を追求していくことができます。そして、高いオーディオは、やっぱり音質が最高です!音源のすばらしさを最大限に引き出してくれるように思います。
一方で、オーディオに大金を費やすわけにはいかないですよね…。
そんな中で、価格と質のバランスを考えたとき、DaliとMarantzの組み合わせは、なかなか良い落としどころだと思います。家のスペースが限られているとか、近所迷惑になるのを避けたいとか、そういった日本の住宅事情に合っているのもポイントが高いです。
オーディオ選びで迷われているなら、ぜひチェックしてみてください!